チュンチュン
小鳥たちのさえずりが聞こえる
外はきっと晴れているのだろう
カーテンの隙間から漏れる光が
私の目に差し込む
あの日のことを思い出した
新しく買ってもらった服に着替え
車に乗り込む
母は着物姿に着替えていた
目的地までの車内はなぜか無口
私の心臓はいつもより活発である
車はとある小学校の正門前に止められた
車から降り私は母に連れられ正門をくぐる
今日は私の小学校入学式である
今も覚えているのは
とても晴れていて風が心地よかったこと
小鳥たちのさえずり
てんとう虫の笑顔
桜の花が満開でどの花も祝ってくれているようだったこと
そして
母の手の温もりと母の笑顔
私は忘れない
今はその笑顔は見ることが出来ない
ただ手の温もりだけを感じれるだけ
今母は病院のベッドで寝たきりだ
いつかまた
母の笑顔は観れるだろうか
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